以前から、よく話題となっている「テーマ」です。一般的な意見では、低学年では「国語が重要」で、学年が上がるにつれて「算数が重要になってくる」という意見が多いようです。私の意見は、少し異なります。語学力がなければ、「算数」の複雑な文章問題などには対処できないでしょう。よって低学年のうちに、「読解力」を身に付ける必要があるのは事実です。論点は、学年が上がるにつれて「算数の方が重要になってくる」という意見です。もちろん「算数」も重要ですが、私は「国語の重要性が低くなる訳ではない」と考えます。理系でも文系でも、研究者が認められるためには、行った研究をまとめて「論文」として学会や雑誌へ発表する必要があります。もちろん「論文」の書き方には「定型」が存在します。それでも、「的確に」「分かり易く」、さらには「英語で」伝える能力は必要になります。
「国語」以外の教科における最近の傾向としては、「記号での回答」「選択式の回答」は減っています。その代わりに「記述式の回答」が増加しています。例えば、「算数」であれば「図を書いて示しなさい」「計算は省略して答えのみ記入し、なぜそうなるのか説明しなさい」などです。このような傾向は、「理科」「社会」でもあり、「A液とB液を混ぜると、どのような反応が起きるのか説明しなさい」「なぜ〇〇がこのような形状になっていると、生存に有利なのか説明しなさい」や「第〇〇代将軍が治めていた時代に、どうして町民は不満を持って一揆が増加したのか説明しなさい」「〇〇は日本に伝来した後で、独自に進化していきました。海外での〇〇との違いを分かり易く説明しなさい」などといったものです。
我々の時代は、「より多くの情報をインプットする」「間違えないように多くの計算問題を解く」「あまり考えなくても回答できるように反復練習」などと言われていたものです。しかし今では、「質問内容をしっかりと理解する」「論旨を明確にする」 「指定された文字数以内で、的確に文章を書く」 などといった、学問の根本的な能力が求められる時代になって来ました。それ自体は良い事です。ただし、そうなってくると多くの勉強時間が必要となります。
様々な機関や学習関連企業がデータを発表していますが、小学校5~6年生になると、低学年時代とは異なり、勉強時間が急激に長くなります。これは、「受験対応なのか・学校の勉強内容に追い付いていけないのか」までは確認されていません。これは教育事業に関連するスタッフとしての意見ですが、低学年のうちから、10分/1日でもいいので、継続して勉強をしていけば、勉強習慣が身に付きます。そうすると、長時間の勉強でも苦にならなくなります。さらに言えば、時間だけ長くて効果が薄い勉強法をしていれば、短い時間でも効率の良い勉強をしている生徒の方が成績が良いのは言うまでもありません。
様々な学習教室がありますが、低学年のうちは、毎日しっかりと勉強する習慣を付ける事が重要だと考えます。この習慣が身についていれば、高学年になってから焦る必要はありません。自分のペースでしっかりと勉強して、中学生になっても継続してください。