3年前には、こんな時代がやってくることは誰も想像していなかったと思います。以前は風邪の原因ウイルスの1つだった「コロナウイルス」が、感染性も毒性も増して人類を脅かす存在になりました。
風邪の原因ウイルスとして名前が知られているのは、「コロナウイルス」「ライノウイルス」「RSウイルス」「アデノウイルス」などです。一般的に、風邪の原因ウイルスは200種類以上存在すると言われています。風邪の原因となるウイルスとして、およそ30%が 「コロナウイルス」 と言われています。しかし、 「コロナウイルスワクチン」 を製造しても、別の風邪の原因ウイルスに感染すると風邪をひいてしまうので、製薬会社は 「コロナウイルスワクチン」 開発をしていませんでした。それなのに、なぜこんなにも早く「新型コロナウイルスワクチン」が開発されたのでしょうか?
ワクチン製造方法で最も有名なものは、鶏卵(有精卵)に「ウイルス」を接種・培養するものです。「季節性インフルエンザワクチン」がこの製造法なので、「インフルエンザが流行すると卵の価格が上がる」と言われています。しかも、ひと昔前までは、「卵アレルギー」の人には 「季節性インフルエンザワクチン」 の接種は勧められないとされていました。最近の研究で「ワクチン」には卵の成分が含まれないことが明らかになり、 「卵アレルギー」 の人でも安心して 「季節性インフルエンザワクチン」 を接種できるようになりました。
もうひとつは、「動物の培養細胞」を用いる方法です。この方法の利点は、「卵を大量に確保する必要がないこと・短期間で大量のワクチンを製造できること・卵よりも精製が簡単に行えること」が挙げられます。
そしてよく問題になるのが「遺伝子組み換え」を利用する方法です。 「ウイルス」 の抗原性に関連する部分の遺伝子だけを 「特殊な培養細胞」 に接種して、培養・精製したものです。この方法では、 「動物の培養細胞」 を使用する方法よりも、さらに早く・大量に・精製度の高い 「ワクチン」 を製造することが可能です。「遺伝子組み換えワクチン」を接種すると「自分の遺伝子も組み替えられてしまう」などといった事を唱えている人たちもいますが、 「遺伝子組み換えワクチン」 を接種しても、自分の遺伝子が組み替えられることはありません。
それでは 「新型コロナウイルスワクチン」 は、どの方法で製造されているのでしょう?「アストラゼネカ社」や「ジョンソン・アンド・ジョンソン社」などが採用しているのは、「ウイルスベクター法」です。「ファイザー社」や「モデルナ社」などが採用しているのは、「mRNA法」です。どちらも 「遺伝子組み換えワクチン」の最先端の技術です。ただし、既に認可されていたのは 「ウイルスベクター法」 で、今回の 「新型コロナウイルス」 に対応するために特別に認可されたのが 「mRNA法」 です。なので、一部の人たちからは「mRNA法は安全性に不安がある」と言われています。
「ウイルスベクター法」 は、人体に対して無害または弱毒性の「ウイルスベクター(遺伝物質を細胞に運ぶ働きをする運び屋)」に「抗原となるたんぱく質の遺伝子」を組み込んで製造する方法です。 「mRNA法」 は、 「抗原となるたんぱく質の遺伝子(mRNA)」 を脂質ナノ粒子などの「キャリア(運び屋)」に直接封入する製造方法です。 「ウイルスベクター法」 のワクチンは、一般的に流通している冷蔵庫・冷凍庫での保管が可能です。しかし、「mRNA法」 のワクチンは、 「モデルナ社」 の製品でー20℃、 「ファイザー社」 の製品ではー75℃の超低温保管が必要です。このような冷凍保管庫の準備・使用方法に慣れていない医療関係者が多く、様々なトラブルが報告されています。
個人的に、ワクチンはあまり好きではありません。しかし、子どもの時代に法定接種のワクチンについては接種しています。日本では、ワクチンを接種した際に何かしらの反応が起きると「副作用」といいます。この言葉は、マイナスのイメージが伴います。英語では「Side Effect(付随する現象)」と呼び、何かしらの反応が起きる事は想定内です。ここからも、日本と英語圏では考え方の違いが明らかです。
職域接種がないので、私はまだ「ワクチン接種」を予約できない状況です。予約できる状況になったら、子どもを守るためには接種した方が良いのは理解しています。しかし良く考えてから接種を決めたいと思います。