日本の「500円硬貨」は、世界2位となる高額な硬貨です。1位はスイスの「5スイスフラン」で、本日のレート(2021年6月30日現在)で598.75円です。世界3位はイギリスの「2ポンド硬貨」で、本日のレート(2021年6月30日現在)で262.94円です。ちなみに、アメリカで最も高価なのは「1ドル硬貨(約110円)」ですが、日常見かけることは少ないそうです。最も使用されているのは、「25セント硬貨(約26円)」です。ユーロ圏で最も高価なのは、「2ユーロ硬貨(約260円)」です。
ここから、「500円硬貨」が、いかに高額の硬貨であるのかが理解いただけると思います。日本でも、昔は「500円札」が発行されていました。しかし、使い勝手の悪さから「500円硬貨」に置き換わりました。それは、自動販売機の急速な普及が原因です。当時の技術では、「紙幣」が使用できなかったからです。
話は変わりますが、日本の自動販売機の設置台数は世界で2位です。1位はアメリカです。マスコミは、これを人口比に変換して「人口比の自動販売機設置台数は世界一」と言っています。しかし、日本における自動販売機の設置台数は、ここ10年で減少の一途をたどっています。一方のアメリカでは、増加傾向にあります。理由は多様性です。アメリカの自動販売機のうち、およそ50%は飲料以外です。現在の自動販売機では、「ピザ・サラダ・サンドウイッチなどの食品」や「日用品(生理用品、化粧品、煙草など)」が登場し、スマートフォンで「電子決済」することで廃棄ロスも最小限になっています。それに対して、日本での飲料以外の自動販売機は、全体の3%しかありません。これから増加することは予測されますが、アメリカに追い付くまでには、かなりの年月を要するでしょう。
話を元に戻しましょう。このように高額な硬貨ですので、「ニセ札」ならぬ「ニセ硬貨」の事件が数多く発生しています。最も有名なのが、韓国の「500ウォン硬貨(約50円)」をドリルで削って作られたものです。2000年前後に大問題になり、「500円硬貨」はマイナーチェンジしました。自動販売機は、おつりレバーを引くと入れた硬貨がそのまま排出される機構へとアップグレードしました。
2021年11月より、更に偽造されにくい最新の「500円硬貨」が発行される予定になっています。今からとても楽しみです。