仲の良い、いつも一緒にいる夫婦のことを「おしどり夫婦」と呼びます。しかし、この「おしどり」ですが、いつも一緒にいるのは繁殖期だけで、次の年には、別のペアになっています。では、なぜ「おしどり」が仲の良い夫婦の象徴になったのでしょう?
実は鳥類のカップルの形態は、不倫カップルが多いのです。しかし、遺伝子研究による解析が進むまでの長い間、一夫一婦制と信じられていました。それは、哺乳類ではオスは子育てを手伝わないことが多い中で、鳥類は子育てを手伝うからです。なので、一夫一婦の「おしどり」が仲の良い夫婦の象徴となった訳です。
しかし最新の遺伝子解析によって、鳥類のヒナのうち、およそ30~40%はカップルのオスの遺伝子に由来しない事が分かってきています。しかも、子育てを手伝うのはスズメやツバメなどの鳥で、「おしどり」の仲間であるカモの仲間はオスが子育てをしない種類の鳥だそうです。
鳥類の中で、最も一夫一婦制が強固に守られているのは「モズ」だそうです。それでも、遺伝子解析をすると、10%程度のカップルのオスの遺伝子に由来しないヒナが生まれていることがわかっています。悲しいですが、真実ってこんなものなんですね。