①で書いたように、「個人」に信頼が集まる事が当然な状況が長く続きました。そして個人のリテラシー(情報を適切に理解・解釈すること)の向上とともに、景気も向上してくると、企業がより大きく成長するために重要なのは「個人」ではなく、企業などの「ブランド」である事が、次第に明らかになってきました。そこで、外資系企業は何を始めたかというと、既に「信用」や「信頼」のある企業の「買収」を始めました。
最も有名な巨大企業は、皆さまもよくご存じの「LVMH」です。最近では、あの「Tiffany& Co」の買収も合意に至ったというニュースが入ってきました。もとは1社「Louis Vuitton」からスタートして、シャンパンで有名な「Moët Hennessy」と合併し、今は傘下に60以上のブランド(代表的なものとして「CHRISTIAN DIOR」「RIMOWA」「BVLGARI」など)を束ねる世界で最も成功したグループの1つとなりました。
一方で日本企業は、地味に頑張る企業が多かったので、「無借金」「優秀な人材」「多くの特許や世界各国での認可」「優れた資金調達力」「多くの海外拠点」などの様々な魅力を持っていました。そこで、日本の国力が落ちた1993~2005年くらいの間(いわゆる、バブル崩壊後)に日本企業が買収される案件が相次ぎました。世界一の大企業とも言われる「GE(ゼネラル・エレクトリック)社」は、「東邦生命」を買収して「GEエジソン生命」と社名を変更した後に、多国籍保険企業である「AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)」へ売却しました。世界最大の総合化学メーカーである「BASF」は、「北陸製薬」を買収して、アメリカでも有数の製薬企業である「アボット・ラボラトリーズ」へ売却しました。世界有数の製薬メーカーである「エフ・ホフマン・ラ・ロシュ」は中外製薬を買収しました。(中外製薬は、現在でもロシュグループの一員です)多国籍携帯電話企業「ボーダフォン」は「日本テレコム」と「ジェイフォン」を買収して、「リップルウッド」と「ソフトバンク」にそれぞれ売却しました。アメリカ三大銀行だった「メリルリンチ」は破綻した「山一証券」を買い取りました。
このように、本来であれば買収されないであろう優良企業も、世界的な大企業から見れば格安に見えた事でしょう。そして必要な「部分」だけを自分の企業に取り入れて、残りは売却しました。
そして現在、また「ウイルス騒動」によって日本の国力は落ちています。ただし、今回は世界的な問題なので、日本だけが国力を落としている訳ではありません。ただし、そんな中でも成長を続けている国や企業もあります。
ごめんなさい、②でも終わりませんでした。③へと続きます。