2020年のノーベル物理学賞は、「ブラックホール」の存在を理論と観測によって証明した3名の科学者に贈られることになりました。「ブラックホール」を簡単に説明すると、「ものすごく巨大な質量/重力を持つ存在で、光すら引き付けるために黒く見える」とされています。「一般相対性理論」では、「強い重力は時間をも歪ませるので、ブラックホールの中心に近づくにつれて時間の進みは遅くなる」とされています。そんな「ブラックホール」を理論と観測によって証明したことが評価されました。
また、2019年4月、「ブラックホール」が歴史上初めて撮影されたことが世界中でニュースになりました。世界6か所の天文台が協力して研究していた国際的なプロジェクトだったそうですが、その中でも大きな役割を果たしていたのが日本の国立天文台の「本間希樹教授」です。今年は間に合いませんでしたが、すでに来年以降のノーベル賞候補になっているそうです。
一方で、2020年4月7日に「東京スカイツリー」では、東京大学と理化学研究所の研究チームが、地上450mの展望台と地上において、時間の流れが異なる事を証明しました。地球上においては、標高が高い場所ほど重力は弱くなることは知られています。エベレストの頂上や、富士山の頂上では気圧が低くなり、体重が軽くなります。また、水が沸騰する温度が低くなります。これを「重力が強い場所ほど時間はゆっくりと流れる」という「一般相対性理論」に当てはめて検証すると、「地上とスカイツリーの展望台では時間の流れは異なるはず」です。ちなみに、その差は4ナノ秒(4×10億分の1秒)という微細なものです。この微細な時差を測定できる技術が今までなかったので、なかなか検証が進みませんでした。興味のある方は、こちらへどうぞ。
これらのどの研究も、「アインシュタイン」の「一般相対性理論」がベースになっています。しかも、その理論はおよそ100年も前に完成されたものです。「いやー、天才っているものなんですね。」