今回の「コロナウイルス騒動」において、①リモートワークが普及②出張機会の減少③公共交通機関の利用を避ける風潮、によって鉄道各社の収益は過去最悪になっている所が多いそうです。このままただ待っているだけでは収益改善が見込めないため、JRを中心とした鉄道各社において大胆な改善策として「時間帯別運賃」の導入が検討され始めているそうです。
先日、知り合いの私鉄職員の方とお話しする機会があったので、現在話題の「時間帯別運賃」の導入の可能性について聞いてみました。値下げについてはすぐに「国土交通省」より許可が下りるそうですが、値上げについては申請後数年かかるケースもあるそうです。ただ今回は会社の維持という意味合いもありますので、どういう判断が下されるのかが注目されます。
利用者にとっては「実質値上げ」となりますが、設定された「運賃」以上の金額になることはありませんので、通常利用者には何の影響もありません。この制度変更で最も影響を受けるのは「定期券」の利用者です。学生の「通学定期」とサラリーマンの「通勤定期」が対象です。「定期券」の「割引率」が下がるために、「実質値上げ」となります。
今までは「定期券」の購入は前払いだったため、鉄道会社の貴重な収入源となっていました。ところが「時間帯別運賃」が導入されると、最も電車の込み合う朝夕の時間帯に利用すると、「定期券の割引率」が変更される制度となる可能性が高いため、後払いになる「定期券とは呼べない定期券」となる予定です。このため、土日が利用不可の「定期券」や混雑時間帯は利用できない「定期券」などの「前払い購入」の「定期券」導入も検討されているようです。
私も話を聞いて驚いたのですが、未だに駅に券売機が多数設置されている理由は、「紙切符」を購入して電車に乗る方が「2~3割程度」存在するからだそうです。国が「時間帯別運賃」を承認すると同時に「紙切符」を廃止して全て「IC乗車券」にすれば、駅の券売機を大幅撤去可能となり、そのメンテナンス代やリース費用も大幅削減可能になります。券売機は、「IC乗車券」の使い方が分からない外国の方向けだという声もありますが、鉄道各社「英語webサイトをはじめとした多言語対応」をしっかりと用意されていますし、主要駅には英語対応可能なスタッフも多数おりますので問題ないでしょう。
現在でも出来ますが、もっと簡単にスマホやPCで「チャージ」や「定期券」の更新も可能にすれば、更なる大胆なコスト削減策も可能になるのではないでしょうか。